臨床心理士を目指す大学院生、あと2年足らずで臨床に出るのに、その自覚はあまりないようだった。学生気分、ってやつだ。
それはまだいい。
卒業したらいやでもプロになるんだ。
参ったのは、クライエントとなるべき、心の問題を抱えた人たちに対する認識が、一般の若者と変わらなかったことだ。つまり、クライエントは自分とは別の世界の人だと思っている。
「その人、ヘンな人じゃなーい?」「ヘンな人だよねー、やだー」とか言ってる。待て待て、君らはそういうヘンな人を社会適応させるための
勉強をしてるんじゃないのか?
極めつけは、
「あたし、おかしいかなー♪病院行ったほうがいいかなー♪」
あの…私、精神科に通院してるんですけど。
他の院生たちと話すうちに、治療者の立場とクライエントの立場、両方に立てることはとても大切だと気付いた。
卒業して現場に出れば、治療者もクライエントも同じ人間だということを、いやでも思い知らされるだろう。治療の現場では、治療者も自分の人格を賭けていかなければならない。しかし、それを経験していない院生たちは、心の病気なんて他人事だと思っている。
参るのは、現場に出ても他人事だと思っている人がいることだ。
カウンセラーは、クライエントとじっくり話し合うのが仕事だからそういう人は少ないが、医師には多い。患者がただの「仕事」にしか見えない医者。
ちなみに私の主治医のO先生は、逆に自分が医師だという自覚がちょっと足りないように感じられることがある。なんか最近の診察は、どちらが相手を笑わせるかという、バトルになっている気がして。笑わされてしまうとなんかくやしい。